今日ではTVやネットなどで少しずつカサンドラ症候群という言葉が普及されてきたように思います。
それでもまだまだその苦しみへの理解は一般的な認識からは程遠く、
蜃気楼のように見えるのは私だけでしょうか。
カサンドラ症候群
書いていてふと思ったのですが、この【状態を表す】というのが曲者で、
もし正式疾患として認識されたのなら、
もっと世間に幅広く認知されたのでしょうか。
まだまだお茶の間ではこの【カサンドラ】の題材を取り扱った番組などは少なく、
もしノンフィクションのドラマであったり放映されたのなら、
これから子育てを迎えるであろう世代にも、もっと周知されるのでしょうか。
本当に、この日本の中ではこれだけ影で悩み苦しんでいるカサンドラが多いにも
関わらず、余りにも認識されていないが為に、
二重苦三重苦ところではなく、苦しみの相乗効果は計り知れないと思います。
カサンドラの苦しみの原因
周囲に理解してもらえない。
苦しみを話しても「よくあること」と軽くあしらわれ、
逆にこちらがパートナーなりASD当事者を悪く言う、神経質な加害者側であるかのように言われてしまうことです。
【誰にもわかってもらえない・信じてもらえない・共感されない】
カサンドラの語源
ギリシャ神話にでてくるカサンドラという女王が、恋人である男神アポロンから予知能力を授かりました。しかし自身の予言からいずれアポロンとは別れることを予知し、振られたアポロンは怒り、カサンドラの予言を誰も信じないという呪いをかけました。
誰からも信じてもらえないカサンドラの苦しみから、
2003年イギリスの心理学者であるマクシーン・アストンが命名。
カサンドラにあらわれる精神・肉体的症状
・自信喪失
・怒り・失望・抑鬱状態
・体重の増減
・片頭痛
・疲労感
・不眠
・不安症状
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)
※一般的なPTSDは、過去の衝撃的な出来事に対して今もなおフラッシュバックなどに苦しむ状態に対して、カサンドラのPTSDは過去から現在も進行形で繰り返される日々に苦しんでいる状態という違いがあるそうです。
そのストレスは、戦争の最前線で闘う兵士と同程度と米の研究により発表されています。
カサンドラ自助会
ブログ内でも紹介しました、
著書【旦那(アキラ)さんはアスペルガー、奥(ツナ)さんはカサンドラ】
の著書である野波ツナさん始め、
カサンドラ当事者による自助会が少しずつ増えてきているように思います。
有難いことですよね。
今この記事を読んでくださっているあなたも、
この記事を開いているということは、
きっと日々悶々とする違和感に悩み、苦しんでいらっしゃる事と思います。
藁にも縋る思い、解ります。
苦しいですよね。
こうした自助会は、ご自身にぴったりとあえば、
傷ついたカサンドラを癒す一助になるかと思います。
もし、傷つきすぎて他人と会う事も今はしんどいのなら、
まずは自分の為の回復時間を持つことをツナさんもすすめています。
カサンドラにも回復のステップアップが存在するようですね。
同じカサンドラ同士痛みをわかちあうことで、
【周囲から理解されない=カサンドラ】
から
【理解・共感を得る=カサンドラからの回復】
ができたら素敵ですよね。
お住まいの地域でもひょっとしたら開催されているかもしれません。
カサンドラ自助会で検索されてはいかがでしょうか。
何かヒントをもらえるかもしれません。
電話相談という手もあります
私は実際電話相談をしました。
中々近場で自助会などがなかったり、時間が限られたりする方、
前述の、まだ人に会いたくない時など。
発達障害センターのような相談所が、どこかしらにあるはずです。
私が電話相談をした窓口の方は、
終始穏やかで、包容力があり安心感のある優しい女性でした。
頭の中が混沌としていて、
支離滅裂な話し方になってしまったなと後から反省したのですが、
的確に今現在の悩みに寄り添いながらのアドバイスを頂くことができました。
その内容は、同じような奥様方からの相談が非常に多いとのこと。
そしてパートナーの受信を勧めるケースでは、
「当事者が納得できない場合、
逆に家庭に波風がたってしまうのでおすすめはできません」とも。
パートナーが責められたと感じて、逆上してより関係性が悪化するケースもあるのだそう。
「当事者が自覚して受診に同行してくれるケースは稀です。」
「受診して、仮に診断が付いたとしても特効薬があるわけではないし、
あくまで周りがどう対応の仕方を変えるかということになってしまうんですね。」
そう言われて、頭ではわかっていたつもりでも、
ショックでした。
ただ、その相談員の方が本当に優しく、
一言一言に気遣いが感じられたのが救いでした。
「期待に応えられなくて大変申し訳ないのですけど、、、、。」
「また別の相談員にも今回に話を共有して、何か解決に向けて良い提案があれば改めてご連絡しますね!」
とまで言ってくださいました。
機械的な対応ではなく、かと言って白々しい感じは一切なく。
【心】を取り扱っている方というのは本当に繊細で且つ慎重なのだなと思いました。
「それは大変でしたね。」
と黙って聞いてくれる人がいる。
それだけでこんなに救われるんだ、、、、、、。
有難かったです。
※私が今回相談させていただいた方が、運よくたまたま理解深い方だったのかもしれません。
恐らくある程度のマニュアル的なものはあるにせよ、対【人】です。
過剰に期待をしすぎて傷ついてしまったら、それはそれで残念です。
ひょっとしたらわかってくれるかもしれない、、、
少なくともそういった専門電話窓口の方は色々なケースの相談を受けていらしゃると思うので、
何かしらのヒントを与えてくれる存在であると思います。
自閉症スペクトラム症当事者が困っているのかどうか
そして、受診に必要なのは、
自閉症スペクトラム障害当事者が、困っている様子があるかということも言われました。
カサンドラの皆さん、
どう思われますか?
少なくとも私は、当事者が仮に困っていなくとも、
支える周囲の人間が辛いのならば、それも受診するにあたって充分大切な大きな理由になると思うのです。
病院へ行って、
「辛いのはASD本人だから周りが理解してあげて。」
「寄り添ってあげて。」
と言われたら、私達カサンドラは一体何処に助けを求めたら良いのでしょうか。
ますます追いつめられるだけのような気がします。
本当に良好な関係を築くなら、
まずはカサンドラを癒し、相手を多少なりとも受け入れられる心の余裕ができるまで回復させること。
それが第一優先になると私は考えます。
理解されずに頑張ってと言われても、頑張れないから相談をするわけです。
そこで尚ASD寄りの意見ばかり言われたら、カサンドラは潰れてしまいます。
専門家のおっしゃることも確かなのです。
事実であることには変わりません。
ただ、ASDに寄り添う為のカサンドラ側の回復の手法を教えてはくれません。
実際皆さんはどうですか?
ASD当事者から笑いながら傷つく失言を吐かれ、
こちらは傷ついてやめてと訴えて落ち込んでいるのにも関わらず、
同じ行動を繰り返され、
何事もなかったかのようにヘラヘラ笑いながら平気に話しかけられる、、、、。
この状態でカサンドラよりASD当事者の方が困っているように見えるでしょうか?
私にはとてもそう思えません。
長い目で見たら、後々カサンドラが支えきれず離縁した時に、
ASD当事者が困るかもしれません。
ひょっとしたら自分に原因が?と気づいてくれるならまだ救われます。
でも、それに気づかないからこその診断ですよね。
ASDを支えることは、口で言う程生易しいものではないのです。
机上の空論のように思えてならないのです。
今日明日で何とかなるものではないのです。
ASDを悪者にしたいのでは決してありません。
そうではなく、
ただ今のこの辛さを理解し寄り添って欲しい。
「そんなことが毎日続いたらそれは大変でしたね。
よくここまで毎日頑張ってこれましたね。」
そう言ってもらえるだけで救われるのです。
それだけで、それじゃ今日一日だけでも頑張って向き合ってみようかと、
生きる気力がわくのです。
専門家の皆さま。
どうか、ASD当事者に寄り添う事の大切さを説く前に、
まずはカサンドラの辛さを受け止めてくださいませんか?
それが結果として、ASDとカサンドラの良好な関係を築く手助けになるのだと
切に思います。
明日もまた頑張ろうという気力がわきません。
鬱の方に頑張ってと言ってはいけないのと同じように、
もうカサンドラは充分頑張ってきて疲れてしまっているのです。
尚頑張れと言われているような気持ちになるととても辛いです。
まずは、今日まで頑張ってきたことを認めてあげてください。
心の余裕ができたら、私達カサンドラもASDの特性を認められるようになるかもしれません。
(正確には、特性故の事と頭では理解はしているのだけれど、
実際に失言を繰り返されると心が追い付いていかない状態です。)
将来的に、カサンドラ専門の心療内科などができてくれることを望んでいます。
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