『悪気がない』が一番傷つく理由

カサンドラ

またまた、ASDあるあるです。

よく言われる

『わざとじゃない』

『悪気があって言ったわけじゃない』

言われた方からしたら、

(悪気がなければ何言ったって許されるとでも思ってるの?)

です。

冒頭のセリフを免罪符のように吐き捨てられると、

怒りが何百倍にも膨れ上がりそうになりますよね。

傷ついたことを述べたらまずは、

『ごめんね。』

でいいのに。

『そんなつもりじゃなかったんだけど、傷つけちゃったんだね。

 悪かったよ。今度から気をつけるよ。』

とでも言って貰えたらまだ鎮火できます。

そうならないのがこの特性。

困ったもんです。

娘の発達障害の診断から2年ほどして、

まさかの夫にまで疑いが出たのですが、、、、。

本などでもよく

『毎日一緒にいて気づかなかったのか?』

なんて声を目にします。

これはカサンドラ当事者だからこそ解るのですが、

違和感の正体を掴むのが容易ではないのです。

そもそもがASDという認識が世間一般ではまだ浅かった時。

娘の時は、癇癪やこだわりが尋常ではなかった為、

ネットでその特徴を調べに調べたら発見することができました。

これに違いない。

確信した位です。

しかし、大の大人である夫については、

癇癪を起すでもなく。

結婚当初から数々の【悪気ない】暴言をさらっと吐かれましたが、

その度に我慢をしたり、

傷ついたことを必死で訴え。

今でこそ理解できますが、

こちらが傷ついたという事を、本当に理解していないようでした。

だから当時は、言っても言っても拍子抜けというか暖簾に腕押し状態で、

解ってもらえるまで必死に訴えかけました。

『冗談で言ってるに決まってるでしょ?』

『そんな事もわからないの?』

なんて言われたらこっちも納得がいきません。

何が悪かったのかを本当に理解されていないような気持ちで、

何故それを言ってはいけないのかを何度も説明をしました。

しまいには

『いつまで言ってるの?しつこい。

 そんなに根に持つのはおまえ位だ。』

なんて言われてしまいます。

いや、一言

『ごめん。』

と謝ってくれたらいいんですけど、、、、、。

ごめんもなしに、

『はいはい、俺がわるかったんだね、もう言わなければいいんでしょ。』

なんて憎まれ口を(笑)

今でも思い出します。

ある日、

『本当のことを言って何が悪いの?思ってることを言っただけじゃん!』

と逆ギレされた事を。

それが本心か、、、、!!

やっぱり悪いなんて微塵も思ってなかったんだ!

衝撃でした。

本当に、何が相手を気ずつけたのかを解っていなかったのです。

だって、

産後の体型、しかも授乳に関するデリケートな事を普通言いますか?

(詳細は控えさせてください。)

お陰で母乳もピタっととまりました。

そして、妊娠中夜遅く帰宅する夫を待って起きていて、

あくびのし過ぎで涙目になって目元の化粧がくずれた嫁に、

『もっとアイラインひけば?俺がメイク本買ってやろうか?(笑)』

なんて言いますか?

車で迎えにいった矢先にそんな事を言われ。

食事を作れば毎回毎回、

『うちのおふくろの料理は~。』

『よそのうちのご飯を食べると、うちの実家の飯って美味しかったんだなぁ~って

しみじみ思う。

その日よくキレなかったなと我ながら思います。

涙をこらえながら、無言で食べました。

その日の夕食は、前日夫から珍しく

『妊婦だから、これから塩分控えめの方がいいよね?

薄味にしても足りなければ自分で塩ふるから、大丈夫だよ。』

という珍しく優しい一言があり、かなり薄味で作ったのです。

(出汁は濃いめにとりましたが。)

なので、

『早速薄味で作ってみたんだけど、どう?ちょと物足りないよね、ごめんね。』

と声をかけたらそのセリフ。

ここはよそのおうちなの?と悲しくてたまりませんでした。

そんな心ない言葉の数々に、

あるときに台所に立つ事が恐怖になり、

今まで張り切って何品も作っていたのに献立が全く浮かばなくなってしまいました。

抜け殻のように台所に立ち、

考えても考えてもメニューが浮かびません。

結構精神的に参ってしまったようです。

その他にも数々の無神経な言葉をかけられる度に日々自信を失い、

それを伝えたところで【悪気がないのだから】

で済まされる毎日、、、、、、。

しまいには自分が悪いのだろうか?

なんて思うようになってしまい、

どんどん生気を失くしていきました。

ある日を境に私の限界が達し、

いつものように悪気がない、冗談がつうじないと言われ、

糸がついに切れてしまいました。

『あのねぇ、冗談っていうのは、

相手がそれで笑ってすむならそれは冗談ですむのかもしれない。

でも、私が笑って楽しんでいるように見える?

冗談とは相手が傷ついたらもうそれは冗談でもなんでもない。

ただのいじめ。

あなたの言っていることは相手を傷つけるただの暴言だから。』

と静かに怒りました。

すると、普段怒らない私が真剣に低い声で言ったからなのか、

少し黙り(でも納得はいっていないよう。)

その後からは夫の言う【冗談】というのは目に見えて減りました。

さすがにまずいと感じたのでしょう。

カサンドラの皆さん。

自尊心を傷つけられたら闘ってください。

もし相手に伝わらなくても、

伝わるまで訴えてください。

私さえ我慢をすれば、、、、

はいつまでも続きません。

いつか必ず限界がきます。

本当は言いたい事を、特に自尊心が傷つけられたのなら、

そこは闘うべきです。

自分の為に。

飲み込んでしまった感情は、

心の奥底に蓄積され、黒い感情となって自身の健康を害します。

なんでもかんでも言い返せなんてやぼな事は言いません。

(逐一言って解るような相手ではない事も、

会話で精神が消耗することも知っています。)

でも、これだけは、ここぞという時だけはせめて、

声を大にして闘ってほしいと思います。

それは第三者に言ってある程度すっきりするかもしれませんが、

言われた当本人に言えなかったという悔しさは、

自身を傷つけます。

一回言って解らなければ、

100万回言えばひょっとしたらある日突然わかるのかもしれません。

期待はしない。

でも闘う事を諦めない。

一番良いのが同じ境遇をASDが味わう事ですが、

それでも自他の境界線や他人の気持ちに疎いので、

解らないのかもしれません。

本当に厄介ですが、

それでもいつか幸せに暮らせる日がきますように、、、、、。


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