日々子育てについてBlogを書いている自分ですが、
ふと、親子愛について描かれた感動映画『ライフ・イズ・ビューティフル』
を思い出したのでおすすめしたいと思います。
※ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意ください。
時は1930年代イタリア。
第二次世界大戦中のドイツ・ナチスによるユダヤ人迫害の中、
大切な息子と妻を守る為、
過酷な状況下の中ですらユーモアを忘れずに
最期まで明るく振る舞う父親の姿を描いた感動作です。
1998年公開
第51回カンヌ国際映画祭にて審査員グランプリを受賞。
第71回アカデミー賞にて7部門にノミネート。
その内主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞を受賞。
CAST
□主人公であるグイドを、監督・脚本・主演を演じるロベルト・ベニーニ。
□妻ドーラを、実生活でもロベルトの妻であるニコレッタ・ブラスキ。
□運命的な出逢いから生まれた二人の愛息子ジョズエをジョルジョ・カンタリーニが演じます。
妻ドーラとの出逢い
ユダヤ系イタリア人の主人公グイドは、
叔父を訪ねて北イタリアへ。
そんな旅の途中、小学校の教師であるドーラに出逢います。
グイドはドーラに一目惚れするのですが、その時ドーラには婚約者がいました。
そして叔父の住む町で再会した二人。
グイドの熱烈で巧なアプローチに押されたドーラも恋に落ち、
駆け落ちをして結婚します。
そして二人の間に産まれたのが息子のジョズエです。
スタートから前半までは割とコミカルで陽気な為、
後半一気にシュールで残酷な世界に移り変わる度、
心が付いていけなくなるかもしれません。
本当にこれから悲しい話の展開になるの?と思ってしまう程です。
そして、グイドのひた向きな明るさがより悲壮感を高めます。
幸せな日常から一転 強制収容所へ
グイドとジョエルと叔父がナチスに連行されるのを見たドーラは、
私も連れて行ってと懇願し汽車に乗ります。
そして母親の姿が見えない事に不安を覚えたジョズエを想い、
グイドの優しい嘘がここから始まります。
(思い出すだけで涙が出そう、、、。)
これからの過酷な収容所での生活で
無事に生き延びる事ができるかもわからない。
そんな過酷な状況下でも、グイドはいつも幼い息子に怖い想いをさせない為に
おどけながら優しい嘘をつき続けます。
こんなにも美しく優しい嘘があっただろうか
その位、ユーモアに富み、
息子を想う愛情深さに何度も心打たれました。
また、現実の悲壮感と真逆のグイドの明るさが切なさをより強めます。
好きなシーンがあるのですが、
ある日ナチスの兵士が収容所に現れ、ここでの規則を声を荒げて説明しようとします。
然し、通訳が必要だと解り、そこで買って出たのがグイドでした。
実際にはとてつもなく残忍な内容を兵士は言っていた筈なのですが、
ここでもグイドは
『これはゲームで、1000ポイント貯めるんだ。
ママに会いたいと言って泣いたりしたら減点される。
ゲームに勝ったら本物の戦車に乗って帰れるんだぞ!』
と言ってジョズエを安心させようと試みます。
息子の為だけの命がけの嘘です。
そしてラストシーン
ようやく戦争が終わり、ナチス軍が撤退しようとしていた時。
グイドは、愛しの妻を探しに収容所からジョズエと共に抜け出します。
ところが、運悪く兵士に見つかってしまい、
ジョズエを箱の中に隠します。
これはかくれんぼなんだと。
兵士に銃を突き付けられたグイドは、
最期までジョズエを怖がらせないように、
『死』を覚悟したその時ですら、おどけて見せたのです。
ジョズエの前をまるでコメディアンかのように横切り、
ウインクをしながら、、、、、、、、。
相手の隙を伺って、命がけで兵士を倒す事もできたかもしれません。
それでも、それをしなかったのは、
そこで攻撃しようものなら今までの息子に対する嘘がバレてしまう。
最期までこれはゲームなんだと、
命を懸けてのグイドの父親としての愛情でした。
そして、
一晩明けて箱から出てきたジョズエの前に、
連合軍の戦車が現れます。
戦車に乗せてもらったジョズエは大喜び。
母親とも無事再会できました。
『僕たちは、ゲームに勝ったんだ!』
全て見終わった後に、改めて題名を心の中で復唱すると涙が止まりませんでした。
楽しいだけが人生ではない。
辛い事の方が多いのかもしれない。
それでも、
人生は美しい。
それでも主人公グイドのようにユーモアを忘れずに生き遂げる事ができたのなら、
命を懸けて大切な人を愛し守る事ができたのなら、
こんなに崇高な事はないのではないでしょうか。
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