まず、産後はホルモンの急激なバランスの変化により、
精神的に誰もが不安になりやすいアンバランスな時期です。
ただでさえ、出産という命がけの大仕事を終え、
ほっとしたのも束の間、すぐに不眠不休の育児が始まります。
初産なら尚更、初めての育児に手探りで取り掛かりるわけです。
この記事では育児ノイローゼになる原因と、
いざなってしまった時にパートナーができる事を紹介します。
育児ノイローゼになる要因
育児ノイローゼになるにあたって、
様々な要素が複雑に絡み合って発症することが多いようです。
以下、原因として考えられるものを解説します。
1.核家族化による孤独・社会からの疎外感
現代社会に置いて核家族化が進み、
パパが出勤してから夜遅く帰ってくるまでママ独り、、
なんてことが当たり前のような時代になってきました。
昔はどうだったでしょうか。
おじいちゃんおばあちゃんと同居して、
仕事を手伝いながら子守りをすることもあったでしょう。
子供をおんぶしながら畑仕事をしたり、、、。
おじいちゃんおばあちゃんに
子供を見てもらっている間にママは家事をしたり。
それが、現代社会ではどうでしょう。
確かに、
電化製品など昔では考えられなかったような便利な物も増えました。
然しながら、それらがあったとしても、
日中我が身一つで育児をしている人が大半です。
同居していなくても、
近くに手助けをしてくれる家族がいてくれる人もいるでしょう。
それでも育児ノイローゼになる人はいます。
その位子育てというのは大変なものなのです。
そして、特に孤独感に苛まれやすい人は、
やはり近くに頼れる人がいない人に多いのではないでしょうか。
アメリカの大学での研究によると、
なぜ3倍もの差があるかと言うと、
そもそもの脳の作りが違います。
脳梁といって、
左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする神経の束があり、
その太さが20%も女性の方が太いのです。
これはどういうことかと言うと、
感情などを司る右脳で感じた事を、
左脳の言語中枢に伝達して言語にする量が多いわけです。
右脳でキャッチした感情を左脳で言語化したいものの、
言葉として出せずにいるとストレスが溜まります。
言葉として吐き出す事で感情を整理し、
スッキリできるのですね。
最低でも6,000語は喋らないと夜も眠れなくなる位負荷がかかると言われています。
男性が満足する会話の量では、
到底満足できないことがお分かり頂けたでしょうか。
そして、想像してみてください。
まだ単語すらも話せない喃語だけの赤ちゃんと密室で二人きり。
相槌をうったり、
赤ちゃんに話しかけたとしても、
会話のキャッチボールができない中で、
6,000語も話せるでしょうか。
独りごとに近い言語で1,000語すら、難しいのではないでしょうか。
そして、産前に仕事をしていたママなら尚更、
今までは会社に行けば、
『おはようございます。』
から始まり、
お昼休みには同僚と談笑することもできます。
美味しいお店やスイーツがあれば、
『どこどこの○○って美味しいよね!』
など話に華を咲かせることもできるでしょう。
女性はそもそも共感してほしい生き物です。
それが、
『今日、何か良いことあった?』
『最近頑張ってるね!』
そんな反応も一切もらえないわけです。
仕事であれば、
やればやっただけの成果や言葉をかけてもらう事ができます。
然し育児は、
やってもやっても誰に見てもらえるわけでもない。
独り髪を振り乱しながら頑張っている姿はママしか知らない。
評価もされなければ、声もかけてもらえない環境の中、
終わりのない先の見えないトンネルを、
毎日必死でもがきながら進んでいるのです。
そして、パパが帰宅後
『俺は仕事で疲れてるんだから休ませてよ。』
なんて言われた日には、
なんとも言えない恨めしい気持ちになるものです。
そんな時ママは、
『私だって仕事をしていた時は、、、、。』
と、すっかり社会から取り残されたような疎外感を強く感じます。
こんなに頑張っているのに、
母親だから当たり前のような対応をされると尚の事。
誰からも相手にされないちっぽけな存在に感じてしまうのです。
たった独り。
ぽつんとした気持ち。
2.睡眠不足
これはてきめんです。
人間誰しも眠れない日々が続くと、
思考が働かなくなってきます。
もし、なんでママが寝不足で
イライラしているか分からなければ、
一度夜泣きに対応してやってみたらよいと思います。
睡眠欲は人間が生きる上での三大欲求の一つです。
昔拷問で、
何晩も寝かせないようにしたら
どんな人でも音をあげるといわれた程です。
生死に関わる欲なのです。
これが満たされない状況下の中で、
人間は段々正常な思考回路が保てなくなってきます。
男性でもそうだと思いませんか。
徹夜明けの仕事は、普段なら考えられないようなミスをしてしまったり。
中々良いアイディアが浮かばなかったり。
奥さんの様子を注意深く見守ってあげてください。
目つきが虚ろになっていませんか?
口数が少なくなっていませんか?
ぼんやり考え事をしているような様子はありませんか?
まずは寝かせてあげることです。
3.育児に自身が持てない
母乳が思うように出ないママもいるでしょう。
誰よりも赤ちゃんに
お腹いっぱい飲ませてあげたいと願うママにとって、
母乳が思うように出ないことで自信を失ってしまうケースもあります。
そんな時、周囲からの
『母乳足りてないいんじゃない?』
の一言は傷つくものです。
ストレスによって更に出なくなることも。
ママは健康や食事に気を付けていても、
睡眠不足や疲れ、ストレスなど、
様々な要因からでない事もあるのです。
そんな時、
ママは誰よりも自分自身を責めてしまいます。
そして、赤ちゃんを抱っこしても一向に泣き止まない。
あやしても何をしても寝てくれない。
そんな時、私の育て方が下手なんだろうか、、、。
など思ってしまいます。
たまたま休みの日に、
普段相手をしないパパが
抱っこを変わった時に、ぴったりと泣き止んだりすると、
ママとしてはショックを受けたりするようです。
一見パパからしたら、考えすぎなんじゃない?
もっと気楽にいきなよと思うような事でも、
ママにとっては中々そう思えない事もあるのです。
ママが悪いわけでもなんでもなく、
偶然が重なったり、勿論赤ちゃん自身の気質的なものもあります。
然し、我が子を想う気持ちが強いからこそ、
自分自身を責めてしまうのだと思います。
ママ自身が元々責任感が強かったり、
完璧主義タイプだと
尚更辛いものがあるのではないでしょうか。
パパにできること
1.ママの話を沢山聞いてあげる
ここで注意したいのが、
決してママとしてはアドバイスが欲しいのではなく、
あくまで気持ちを解ってほしいということです。
勿論アドバイスが欲しければ、
ママの方からそのように聞かれると思うので、
その時は返してあげましょう。
基本スタイルは『傾聴』です。
とにかくママの気持ちに寄り添って、
ただひたすら、心を傾けて聞いてあげましょう。
それは上にも述べましたが、
女性は言葉にして感情を整理したい生き物だということが大きいです。
パパとしては、
仕事から帰ってきてすぐ長い時間話を聞くという事は、
時に辛いかもしれませんが。
せめて、ご飯を食べ終えてからでも、
10分でもよいから話を聞いてあげてください。
聞く時はTVなどは消して、
ママの話をちゃんと聞いているよという姿勢が大事です。
携帯を触りながらなどは言語同断です。
聞く時は、相槌も忘れずに。
途中で口を挟みたくなる時もあるでしょう。
然し、まずはうんうんと、話を聞いてあげて欲しいと思います。
2.感謝や労いの言葉かけ
理想は、帰宅後に必ず
『今日も一日お疲れ様。
大変だったでしょう。どうだった?』
とパパの方から声を掛けて
様子を聞いてあげるのがBESTです。
ママはそれだけでも嬉しくて、パパに話したくなるでしょう。
もし、普段から感謝や労いもなく、
ママが子供の世話をして当たり前、育児には無関心、、。
というパパさん。
危険です。
そんなパパには、
ママも段々話しかける気力すらもなくなり、
『別に、、、、、。』
という素っ気ない返事しか返ってこなくなったら、
今からでも改善しましょう。
きっと、
今会社から帰宅して出されたご飯は、
ママが赤ちゃんのお世話をしながら合間に一生懸命作ってくれた筈です。
赤ちゃんが泣いては料理を中断し、
時間をかけて物凄く苦労しながら作ってくれた筈です。
そんな中、出された料理に決して文句を言ってはならないですし、
お惣菜でも買いに行く手間があるわけです。
ながら食べをするのではなく、
『美味しいね、ありがとう。』
と言ってもらえるだけで、ママは救われるのです。
勿論、パパもTVを見たかったり、
何か好きな事をしたい気持ちもわかります。
それは否定しません。
ただ、ただですよ。
子供の小さい時のほんの数年は、
パパもママと一緒に同じ苦労を味わって寄り添ってあげて欲しいのです。
考えてみてください。
ママからしてみたらこうです。
パパは仕事に行ったら、
休憩時間もあってゆっくり邪魔されずにご飯を食べることができる。
同僚とも談話できる。
トイレも好きなタイミングでゆっくりできる。
タイムカードを切ったら本日の業務終了。
家に帰れば
温かいご飯を冷めずに食べる事ができる。
完全なオフタイムとして体を休める事ができる。
それに比べてママはと言うと、、、
ご飯もトイレも好きな時にゆっくりなんてできない。
流し込むように慌てて食べて、
お風呂も湯舟にゆっくり浸かれない所か毎日湯冷め&肩こり。
TVをつけても泣き声で聞こえない。
食事の支度や家事を中断中断、、で思うように捗らない。
タイムカードーがあるわけでもなく、
夜中は赤ちゃんに起こされ、常にONタイム。
ほぼ不眠不休で、自分の時間なんてない。
ないない尽くしのオンパレードです。
ママからしたら、
パパは独身時代と変わらず出来ることだらけに映るのです。
羨ましさもあるでしょう。
と同時に、非協力的なパパであったなら、
なんで二人の子供なのに、自分だけこんな生活が一変して
大変な想いをしなくちゃいけないのだろう、、。
と悲しい気持ちに襲われます。
パパは階段一つ、
我が身だけで身軽に降りることができますが、
ママは赤ちゃんを抱っこしながら、
いざ出かけようとするタイミングでおむつ交換だったり、
泣かれればあやしたり。
何一つ自分のペースでできないと言っても過言ではないのです。
ですから、
パパも娯楽が必要な事はわかります。
ただそれは、
まずママの気持ちに余裕を持たせてあげることができてからにしませんか?
もし家事が溜まっていたのなら、
二人で協力をして、先にやることを終わらせてから、
その後二人の時間を作ったら良いのだと思います。
我先に
『俺は仕事で疲れているから。』
と言われたら、
ママだって
『私だってこんなに疲れているのに。』
と険悪な関係になってしまいます。
それこそ、
パパは疲れても夜眠って休めますよね?
休日にゴロゴロできるなら、その間体力を回復させる事ができますよね?
ママはいつ休めるのでしょうか?
まさか、
日中赤ちゃんのお世話だけで暇でしょう
なんて思っていませんよね?
私自身も、
独身時代はかなり過酷で精神的にも気を遣う長労働勤務をしていました。
時には、就労後に仮眠して出社という相当なハードワークだったと思います。
しかしながら、それでも
仕事の方が断然楽だったと
断言できる程育児の方がきつかったです。
正直体力と精神力には自信があったので、
産前までは自分は大丈夫だろうと思っていました。
決して仕事を軽んじているわけでもなんでもありません。
そして、だからどっちが偉いとか言いたいわけでもありません。
どちらも尊いのです。
というのも、
何故こんなに心身共に消耗するのか色々考えてみたのです。
結果、育児は
赤ちゃんという未知で今にも壊れそうな弱い存在なわけで目が離せません。
その命は常に事故がないよう自分が守らねばというプレッシャー。
自身の体調が崩れても変わりはおらず。
そのプレッシャーを24時間ひたすら抱え続けるという事が一点。
二点目は、
やはりほぼ不眠不休という事。
独身時代はどんなに疲れていようとも、
休日というものがありましたから、丸一日寝て休む事もできたのです。
それが、終わりのない毎日をひたすら繰り返し、
休憩時間も自分の意思ではとる事ができない。
休みたい時に休めないというストレス。
気分転換の為の行為は全滅です。
三点目はやはり話し相手がいないので、
発散ができないということ。
以上三点を含めると、
どうしても既に満たされて生活をしているように
見えてならないパパの存在。
そのパパが尚
自分の娯楽を優先させようとする姿に、
ママは愕然とするのだと思います。
そんな日常を想像することができれば、
パパも自然とママに対する言動が変わってくるのではないでしょうか。
※今回育児ノイローゼになったパートナーを女性と仮定して話を進めましたが、
男女逆のご家庭もあることと思います。
その場合は男女逆に起き変えて是非一読して頂けたらと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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