前期破水
予定日を目前にソファーでくつろいでいると、
それは突然起こりました。
『パシャ、、、、、、。』
お漏らししたかのように水のようなものが出てきました。
そして、腹痛。
痛い、、、、、、、、、。
鈍い痛みが襲いました。
急なことに軽いパニックに。
すぐ産院へ連絡し、
予定日前日だったこともありおそらく前期破水とのこと。
着替えて急いで産院へ直行しました。
長い陣痛
産院へ着いて安心したのも束の間。
どんどんお腹の痛みが強くなってきました。
最初は生理痛の強い痛み位でなんとか耐えられる痛みでしたが、
次第に見動きがとれなくなる位痛みが強くなりました。
助産婦さんに「あとどの位でうまれるんですか?」
と聞いたところ、
「子宮口が1~2cm位しか開いていないからまだかかりそうよ。今日はまだね。」
と衝撃の返答が。
その時時刻はまだ夜22時頃。
時々様子を見に来てくれるものの、夜間でまだ生まれる兆候が無い為、
休める内に休んでということで、暗がりの中でうっすらと目を閉じました。
ところが、痛みで寝付けるわけがありません。
次第にうめき声をあげるようになり、
「痛いよ~、痛いよ~。」
と声を出すことで痛みと不安を紛らわせました。
とても心細かったのを覚えています。
そのまま朝を迎え、、、
痛みで一睡もできないまま、
朦朧としている内に夜が明けました。
あんなに夜が長く感じたのも久しぶりでした。
看護婦さんが「おはようございま〜す!朝食です!良かったら食べて元気つけてくださいね!」
と元気な声で食事を運んでくれました。
その時、
(嘘でしょ?しょ、食事?痛すぎて食べるところじゃないんですけど、、(´;ω;`)
と思ったことを鮮明に覚えています。
(看護婦さん、折角運んでくれたのにごめんなさい。朝食は旦那に食べてもらいました。)
牛乳だけほんの少し飲めたかな?
とにかく痛すぎて、上体をゆらゆら揺らしたりしていました。
助産婦さんが心強い
様子を見に来ては、
「痛いよね、辛いよね、頑張ってね、もう少しだからね。」
と言って励ましてくれました。
腰をさすってくれたり、バランスボールのようなものを持ってきて、
痛みを緩和できるように工夫をしてくれました。
確かテニスボールも腰にゴロゴロあててくれたような、、、、。
助産婦さんが来てくれる度にほっとしました。
気が付くと翌日のお昼頃になっていました。
畳の部屋へ
途中尿意を感じ、一般病棟のトイレまでなんとか歩いていけたものの、
2回目の時には移動がかなり辛く、
助産婦さんが最寄りの部屋まで車椅子で連れていってくれました。
もう、腰かけても何しても痛い。
朦朧としたまま、分娩室が空いていなかったこともあり、
そのままトイレと隣接している畳の間で横になりました。
ついに出産の時
「もうだいぶ子宮口が開いてきましたから、もうすぐですからね。」
と言われ、出産前からすでにへとへとになってしまった私は、
何が何だかわからない位唸っていました。
陣痛もいよいよ本格的になった頃、
痛みの持続に体力的にも疲弊してしまい、
それでも容赦なく襲ってくる陣痛に、どうか夢であってほしいとすら思いました。
出産間近では、陣痛により強い波があり、ほんの一瞬無痛になる瞬間がありました。
その瞬間を待ち望み、すぐに襲ってくる次の波に悶え、
畳をどんどん叩いていました。
TVもついていましたが、全く頭に入ってこず。
まるで棍棒で子宮内をグリグリかき回され拷問を受けているような、
そんな痛みでした。
「子宮口全開です!いつでもいきんでいいですからね!」
それを合図に、もう恐怖心よりも早くこの痛みを終わらせたい一心でいきみました。
必死です。
それはもう必死です。
叫びながら全身の力を振り絞りました。
メリッという音とともに、
激痛が走りました。
それでも必死でいきみ続けていたら、
「赤ちゃん産まれましたよ!もういきまなくても大丈夫ですよ!」
その声で我に返りました。
(産まれた、、、?ついに?もう頑張らなくていいの?)
全身の力が抜けました。
赤ちゃんとご対面
出産直後、何やら生温かい重たいものが体からずるずると出され、
後から知りましたが、それは胎盤だそうです。
急に体が軽くなり、気が付いたら助産婦さんがほやほやの赤ちゃんを枕元へ連れてきてくれました。
まだしわしわでふにゃふにゃで、柔らかく小さなおてて。
あたたかくていいにおい。
ついさっきまでお腹の中にいたのに、
こうして目の前に会いに来てくれたことが神秘的で仕方がなかったです。
そしてすぐに母親にありがとうの電話をしました。
大仕事を終えて
車椅子で病室まで連れていってもらい、
そこから退院するまで、赤ちゃんとの二人の時を過ごすことになります。
私の場合、団体部屋の一角だったのでカーテンの仕切り越しに人の気配や赤ちゃんの泣き声などすぐ聞こえてきました。
最初は赤ちゃんが泣く度に、寝ている人を起こすと悪いからと思い、
おむつ交換台も隣接している授乳室へ都度移動していました。
そんな心配は不要ということをすぐ知るようになります。
なぜなら、気が付けば他のママ達も皆、
夜な夜な赤ちゃんの授乳やらおむつ交換で、
寝ている気配すらないのです。
(たまに明け方いびきをかいているママもいましたが、
きっと皆心の中で「眠いよね、お疲れ様!」と労っていることでしょう。)
代わる代わる、授乳室へ移動したり赤ちゃんをあやす声が聞こえてきました。
普段共同生活は正直苦手な私です。
しかし不思議とその時は、顔も名前もしらないママ達が皆、
一生懸命育児をしているという一体感?のようなものに包まれ、
むしろ私も頑張ろうと前向きな気持ちになることができました。
夜中の授乳とおむつ替え
これが不思議と苦ではなく、
母親になれた喜びと赤ちゃん可愛さに、ハイになっていたんでしょうか。
寝顔を見ては可愛いなあと思い、
起きてもまた可愛い声で泣くなあと完全に親バカでした。
助産婦さんに授乳やゲップのさせ方など教えてもらい即実践です。
2~3時間置きに授乳室へ行き、
母親って産んですぐ、お世話にこんなにかかりっきりになるんだと、
自身が体験して初めて身に沁みました。
沐浴指導
産後数日後、産院内で沐浴指導というものがありました。
数人のグループで集まって、助産婦さんの沐浴の見本を見て実践します。
気持ちよさそうに湯舟でゆらゆら、うっとり顔の赤ちゃん。
初めての沐浴体験では、手を滑らせないように緊張しました。
思いの他赤ちゃんがリラックスして脱力しているので、
浮力で支える為の力はそれ程いりませんでした。
ただ、少しかがむ体勢になるので腰は痛かったですね。
あっという間の一週間
壮絶な出産を経て、痛い思いも沢山しました。
でも、助産婦さん始め産院の方達に優しく支えてもらい、
都度励まされ、退院の時は卒業のような寂しい気持ちになりました。
家での日常生活に戻れる喜びと同時に、
懐かしい授乳室ともお別れか、、、、と。
感謝の気持ちで産院を後にしました。
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