育児日記⑩ 発達障害診断〜その後

発達障害

前回育児日記⑨では、
長女の発達障害診断が下りるまでを書きました。
周囲への理解を求める為に、
ほっと一安心したのですが、、、、、、。

診断=解決ではない

当然と言えば当然ですが、
診断が下りるということは、やっとスタートラインに立てたようなものだと思います。
前回もお伝えしましたが、私の場合は既に覚悟をしていたので、
ショックと言うよりも答え合わせをした感覚でした。

そして、
今この記事を目にしているお母さん。
ひょっとしたら診断を受け入れられないかもしれません。
それも自然な感情だと思います。
そんなに自分を責めないでください。

ただ、
一つ言えるのは、診断が下りたということは、
周囲からの協力を受けやすくなったと言う事でもあります。
少なくとも孤立無援ではなくなったのです。

そして、
診断が下りたということは、
失格者の烙印を押されたわけでも何でもありません。
目の前にいるお子さんが何か別の人に変わってしまったわけでもありません。
ただただ、お子さんは貴方の大切なお子さんであるという。
それだけは変わらないのです。
(気持ちは変わることがあっても、お子さん自身はかわらないという事。)
今の状態を診断されたのです。

診断を受け入れることで、早期療育につなげることができる。

本人と親御さんの困り感を、周囲へ理解してもらいやすくなる。

勿論、
診断されたからと言って、100%信じない方がいるのも事実です。
可愛さあまって逆上する方もいるでしょう。
大切なのは、診断が下りたか下りないかではないのです。
本人と周囲が理解しあって、より良い生活を送る為のステップUPになれば良いのです。

診断がおりなければ、
医療機関や相談機関、療育機関にスムーズに通してもらうことが困難です。
まずは発達相談を、、、となるか、
「それは大変ですね、お母さん頑張ってください。」
と言われるのが関の山です。

そんな悠長に言ってられない位、
お母さん方は疲弊していますよね?
仮に診断がおりても尚周囲の理解が得られないのであれば、
そんな方々は放っておいて、
ご自身だけでもどんどん前を向いて強気に進んで行かれた方が、
よっぽど建設的かと思います。

そんな無理解な人に費やすエネルギーがもったいないです(笑)
省エネでいきましょう(笑)

療育機関でできること

学校内

スクールカウンセラーへの相談は、
こちらが望めば定期的に面談することも可能なようです。
私はわけあって途中からやめました。
担当の先生も年度で交代したりしますので、相性もあるかと思います。
もし本人とマンツーマンで指導(SSTなど)などしてもらえるのなら、
フィードバックをきちんとしてくださる先生の方が良いと思います。
なぜなら、言葉かけなど相手に伝わり易い言い回し等、
家庭でも生かせる事がある筈だからです。

SSTとは?

ソーシャルスキルトレーニングの略称

★社会的コミュニケーションスキルの訓練
 (ロールプレイング形式で会話の練習をするなど。)
 代表的なのが5W1H(誰が・いつ・どこで・なにを・どのように・どうした)

(どちらかと言うと家庭内での方が困っているのだから、
 むしろそっちを教えて!とすら最初の頃は思っていました。)

あとは、それぞれの学校によって教育方針等違いがあるかと思います。
必要に応じて、授業時間を本人のみSSTにあててくれる場合もあるかもしれません。
この辺はとにかく担任とじっくり交渉、、話し合いをして連携をとるべきだと思います。

放課後の療育を紹介してもらえる

これは外部になりますが、
他校にて特性のある子たちの療育を紹介してもらうことができました。
かなり申し込みがあったようです。
仕事をされているお母さん方は夕方前の時間に集中しやすい為、
通級の曜日と時間は希望通りにいかない事もあるかもしれません。
どうしても都合のつかない場合は、
学校を早退(通知表自体、通級も授業とみなされ早退扱いにはなりませんでした。)
して行く事もあるでしょう。

そこでは、
手先を器用に使いながら遊べるゲームであったり、
宿題をやらせてもらったりしました。
びっくりしたのが、先生方が本当に皆さん明るくて太陽のような方ばかりでした。

決まって、
「私達は、たった数時間接するだけだから穏やかでいられるんです。」
「お母さんは毎日ずっとだから、同じようにできなくて当たり前。」
とニコニコ笑いながら優しく話してくれました。

先生方に生意気な口を利く娘に内心イライラしながらも、
それを察してか、
「お母さんいいんですよ。
 ここではよっぽどのことが無い限り、
 本人には伸び伸びと、素でいられるような環境を作ってあげることが一番大切ですから。」
と声を掛けてくれました。

その姿はまさに菩薩様のよう、、、✨

通う頻度も選ぶことができ、
私は隔週にしましたが、肝心の娘は通級を毎度楽しみにしていたようです。
❝毎週でも行きたい❞と。
(この辺は通う距離やお母さんの疲れもあるでしょうから、
 無理はしない方が良いと思います。)

なにが良いかと言うと、
一見遊んでいるだけのようにも見えるのですが、
実は右脳と左脳にばっちり働きかけた、
計算された遊びなのです。

ビーズ遊びなど、
女の子は特に好きですよね。
あれもピンセットを使って左右対称に作り上げることで、
集中力と記憶力、空間把握能力を養います。

トランポリンは、バランス感覚と脚力を。
編み物も手先を使うので脳を刺激します。
カードゲームは知識戦で頭を使わないと勝てないので、
自然と負けん気からじっくり考えるようになります。

こうしたらこうなる、、の想像力も養うことができますね。
色々なからくりを先生方から教わっていく内に、
「これ考えた人凄-----い!」

と親もビックリの連続です。
親子でとっても勉強になりました。

そして何度か通いましたが、
先生から
「特に問題なさそうなので、卒業で良いと思いますよ(^^♪」
とお墨付きを頂いたので、お言葉通り卒業させて頂きました。

相談機関との連携

実際に診断確定をされた専門機関でも、
担当医より
「特に薬の処方も必要ないし、もう通院はよいでしょう。
 何かあった時はまた連絡して。」
とあっさり言われ、以降通っていません。

実は最後の通院日、
ノートに何ページも、ぎっしり書いた悩みを連ね持参していました。
娘との日頃のやりとりにストレスを感じるあまり、
ブラックアウトというか記憶が抜け落ちそうになる事が多々あったためです。


折角通院するのだから、
対処法を一つでも学んで帰りたい一心でした。
通院前夜に子供たちが夜寝静まってから、
気を落ち着け、困っていることを思い出しながら書きました。
そしてノートを差し出そうとするやいなや冒頭のセリフを言われ、
「何も問題ないんだから、、。」

という一言にとどめを刺されて、
言葉を飲み込んでノートをしまいました。

(問題あるんだけどなあ、、、。
それ言ったらまたこっちが考えすぎ、神経質とか言われちゃうのかな、、。)
とぼんやり思いながら家路につきました。

諦めも肝心

いや、諦め「が」肝心なのかもしれません。

うまく言えませんし、矛盾に聞こえるかもしれませんが。
何て言うか、シビアな話。
自分でなんとかしようとしても、なんともなりません。
少し良くなることはあっても、翌日にはまた同じ事を繰り返される事の方が多いと思います。

前述の専門家ですら、
毎日家庭内で起こる様々な問題(あくまで定型から見て)
に接しているわけではありません。

定型発達側が、アスペルガーに訴えても
理解してもらえないのと同じような感覚をまた味わうわけです。
カサンドラの二次被害を味わうのはこれまた酷な事です。
ある種無意識のうちに自己防衛本能が働くのでしょう。
もうこれ以上傷つかない為に。

それも自身を守る上で必要なことだと思います。
人間不信に近い状態になることに寂しさを感じたりすることもあるでしょう。

でも、限界になる前に周囲への助けをシャットダウンする時期というのは、
それだけ深く傷ついた状態であるとも言えます。

今はそういう時期なのだ
と受け入れる事から始めると良いのではないでしょうか。
そして、少し元気がでてきたら、
その時は相談機関を探してみたらよいと思います。

(とは言え、本当に精神状態が危険で正常な判断ができなくなる程危険な時は、
 いのちの電話相談でも役所でも、とにかくSOSをだしてください。)
私も当初は大人になってから人前で涙することに引け目を感じましたが、
大泣きしてでも訴えることによって相手に伝わるのであれば、
それもまた必要な事だと思います。
人間ですから、辛い時に涙がでるのは自然なことです。

そして、ここでいう諦めというのはもう一つ。
周囲への理解だけでなく、
(万人に理解してもらいたいという事への諦め。
 本当に理解してくれる人だけ理解してくれればよい。)
アスペルガー本人に対する良い意味での諦めです。
人間誰しも変われと言われて簡単には変われません。
これが絶望のもとにもなることは確かです。
だって1ミリでも希望がないと不安で押しつぶされてしまいそうですもんね。

然し、
諦め=見放しのようで罪悪感を持ってしまうものの、
ある時もう繰り返し伝える事に疲れてしまい、自分の身を守る事を一番に優先してみたのです。
どうするかというと、
放っておく

と言う事です。

興味関心を持っているからこそ、親としてなんとか生活の基盤を、、、
と思い必死で声を掛け続けるのですが、親も生身の人間。
限界があります。
然し共倒れになることだけは避けたい。

となると、
最低限命があって健康に生きていてくれればそれでよいじゃないか。
という境地に入ります。
出来ない事、教えたい事ばかりにとらわれるとイライラしますし、
沢山ありすぎてこちらも潰れてしまう。

それならば一旦、
(ああ、それだけ私はこの子の事を気にかけているのね、
 もうその気持ちだけで充分だわ。
 この子は私が言わなくても自分の思ったように生きていくから大丈夫。)

と半ば強引に自己暗示をかけます(笑)

最初はついつい口を挟みそうになりますが、
見ないし聞こえないし気にしな〜い♪
早く寝ようっと。

「お母さん疲れたから先に休むね、お休み〜♪
 あとは自分で時間見て寝てね〜。」

で放置です。
(あくまで自分の身の回りの事を自分でできるようになった歳だからこそできる技ではありますが、、、、。)

するとどうなるか、、、、。
案外そんな時に限ってちゃっちゃと支度して寝てたりするものです(笑)
こちらとしては、だったら普段からやってくれ!と拍子抜けですが。
勿論、声を掛けなければ中々寝ようとしない事の方が多いですよ(;^_^A
そんな時はさすがに声をかけますが。

それでも、子供たちが小さな頃から生活リズムだけは口をすっぱくして
時計を見ながら声を掛け続けてきたため、その成果があったのかもしれません。
大なり小なり、継続は力なりは確かなようです。

そして、
怒るということがいかに疲れるか。
育児あるあるだと思うのですが、本当に魂が抜けそうな位疲れますよね。
声に出して伝える事は良いことではありますが、怒ると肝臓に悪いって言いますよね。
身体もダメージを受けているのだと思います。

疲れ切ってしまったお母さん方。
一度、短時間で良いので責任感やら義務感を置いておいて、ご自身を労わってあげませんか?
命に関わること以外は目を瞑って、生きていてくれるだけでラッキー、ありがとう!とだけ思って、
心を休めてください。

一日位歯磨きしないで寝てしまったって、
一日位夜更かししてしまったって、
毎日しっかりやっていても虫歯になるときはなるし、
それよりも怒らず平穏な空気で一日を終える日があっても良いですよね。
でないとしんどいと思います。

※毎日していた事を一日でもしなくなると、
 今度はしない事に拘ってしまい、返って後が大変という場合もあるかと思います。
 良かれと思ってした事が返って自分の首を絞める事に、、、は、
 私自身嫌と言う程味わってきました。
 ですので、あくまでお子さんがこだわらなくて済みそうな、
 ほんの些細な事でよいので目を瞑れる事が一つでもあれば、、、、と思います。

発達障害のお子さんをお持ちの方は共感して頂けるかと思うのですが、
こちらが怒ってしばらく尾を引いて気持ちを鎮めようとしている最中、
怒られた一瞬だけしゅんとして、その後すぐにケロッと話しかけられたりしませんか?
私はあれが地味に怒りに火を注がれたような気持ちになって駄目です。
あくまで自分目線で恐縮ですが、
普通なら、「あ、怒ってるから今は話しかけない方がよさそうだな」とか察するわけですが、
平気でヘラヘラしながら世間話をしてきたるするわけです。

そんな不毛なループを避ける為にも、
最初のバトルを避けることはエネルギーの消耗をしない為にも大切なのだと痛感しています。
相手を傷つけるような事に関しては容赦なく怒りますが、
本人以外誰も困らないようなことに関しては、
一つでも目を瞑る事も必要なのだと思います。

案外本人は注意されなければご機嫌に眠りにつくので、
親目線で考えるともやもやするようなことも、
優先順位の低いものから小言をいわなくするのも一つの手です。

カサンドラはただでさえ心を消耗しますから、
怒りに癒しが追っつかない事ばかりだと思います。
だったら、怒りの感情がわかないように
良い意味での見てみない振り?のような感じもアリなのではないでしょうか。

回復のスピードを速める事よりも、傷つくスピードを遅くする事。
中々難しいけど、おすすめです。

そして最後になりましたが、
我が子の癇癪やこだわりが一番酷かったのが、
2~3歳頃でした。

もう本当に悲惨でしたよ、それはそれは。
そしてその頃に比べたら随分手がかからなくなったことも確かです。
あの頃は車に乗るまでに一時間とかザラでしたから、
今はサッと乗って自分でシートベルトをしてくれるので、
それだけでも大きな進歩です。

ですから、
個人差こそあれど、大変な時期のピークと言うのはあるのかもしれませんね。
勿論未だにストレスだらけの毎日ですが、そんな時は
【あの頃よりはマシ】
と思うようにしています。

苦しみがゼロになることはなくても、
過去の本人から比べたら成長を感じる事があるのも事実です。
少しの希望を元に、今日一日を乗り越えられたら良いですね。







 




コメント

タイトルとURLをコピーしました